受け皿の水位がゆうべから同じ位置にある。うちの子が水を飲んでいないのではないかと、器の前でしばらく立っていた方に向けて書いています。
受け皿が減らないことと、飲んでいないことは、同じではありません。 循環式の給水器は、タンクから受け皿へ水を送り、受け皿から戻す構造をとるものが多くあります。送る量と戻る量がつり合っていれば、飲まれていても受け皿の水位はほとんど動きません。 この記事では、その二つを切り分けるところから始めます。
結論:受け皿ではなく、タンクの減り方を見てください
この記事の結論
受け皿の水位は、飲んだ量の目安になりません。
減ったかどうかは、タンク側の水位で見ます。
タンクも減っていないなら、そこで初めて飲む量の話になります。
受け皿だけが空に近いなら、循環が止まっているほうを先に疑います。

循環式の給水器は、ポンプでタンクの水を持ち上げ、受け皿に落とし、受け皿の底から吸い戻します。 出ていく量と戻る量が同じなら、受け皿の水位は一定のところで落ち着きます。うちの子が飲んだぶんは、受け皿ではなくタンクの側から減っていきます。
つまり、受け皿の水位が動かないのは故障の合図ではなく、設計どおりに動いている合図であることのほうが多いのです。器の前でどれだけ待っても答えが出ないのは、見ている場所が違うからです。
タンクの水位の見方そのものが分かりにくい機種もあります。目盛りの読み方は水位の減りと補充の目安にまとめました。
判断軸は4つ。タンクの水位、受け皿の水位、ポンプの音、飲む姿
| 見るところ | 動いていないとき | 次に見ること |
|---|---|---|
| タンクの水位 | 水が減っていない | 飲む姿と、器のほかの水入れ |
| 受け皿の水位 | 満杯のまま動かない | つり合っているだけのことが多い |
| 受け皿の水位 | 浅いまま増えない | ポンプの吸い込みと向き |
| ポンプの音 | いつもと違う | フィルターの目詰まりと空回り |
| 飲む姿 | 口をつけていない | 置き場所と水の入れ替え |
受け皿だけを見ても分かれません。四つを並べると、行き先が決まります。

四つのうち、いちばん先に見るのはタンクです。 ここが目に見えて減っているなら、受け皿がどう見えていても水は使われています。減っていないときにだけ、次の三つへ進みます。
音の変化は分かりやすい手がかりです。空回りの音、うなるような低い音、断続的な音は、どれも水の流れが変わったときに出ます。 音の種類ごとの見方はポンプの音がうるさいときの原因にまとめています。
飲む姿については、見ていない時間帯に飲んでいることが本当に多いという前提で見てください。留守のあいだや夜中に飲む子は珍しくありません。
四つを一度に見ようとしないでください。 上から順に見て、当たったところで止めるのがいちばん早く終わります。タンクが減っていれば、そこで終わりです。
半日で確かめる手順。印をつけて、置いておくだけです
印をつけるだけの方法をすすめるのは、器を分解しないで済むからです。分解して確かめると、そのたびに水が入れ替わり、減り方が分からなくなります。まず触らずに測る、というのが順番として無理がありません。
半日で差が出ないときは、丸一日に延ばしてください。その子の飲む量が少ないだけで、器のほうは正しく動いているということもあります。蒸発とのちがいは減りが早いときの見分け方で扱っています。
印をつけた日付と時刻を、いっしょに書き添えておくと後で助かります。同じ器を何か月も使っていると、去年の同じ時期にどうだったかを思い出せなくなります。
この見方が通じにくい場面。向かないときもあります
当てはまらないとき
- 多頭でお住まいの場合。 誰が飲んだかは水位では分かれません。頭数ぶんの水入れを見てください。
- ほかにも水入れを置いている場合。 そちらで足りていると、給水器はほとんど減りません。
- 受け皿がとても浅い形の場合。 もともと動く幅が小さく、印をつけても差が読み取れません。
- 気温が高い時期。 蒸発が重なると、飲んだぶんとの区別がつきにくくなります。
- 使い始めの一週間。 その子がまだ器に慣れていないだけのことがあります。
上のどれかに当てはまるなら、水位を測る作業をいったんやめてください。 測っても答えが出ない場面で測り続けるのは、疲れるわりに何も分からない、いちばんつらいやり方です。
そういうときは、器のほうではなくその子の様子のほうを見に行きます。 口をつける回数、器に近づいてから離れるまでの長さ、別の場所の水を選んでいないか。水を飲まないときに考えられる理由に、見るところをまとめています。
それでも気になる変化が続くときは、器の話ではなく体の話かもしれません。飲む量や回数にふだんと違うところがあれば、かかりつけの動物病院にご相談ください。
当てはまる項目があるときは、水位を測る代わりに、器の水を毎日新しくすることに時間を使ってください。 測れない状況で測ろうとするより、そのほうが確実にうちの子のためになります。
あなたの場合。今日できることを一つだけ
- タンクが減っているなら、何もしなくて大丈夫です。受け皿は動かないものだと考えてください。
- タンクも減っていないなら、今日は印をつけて、明日また見ます。
- 受け皿だけ浅いなら、ポンプを外して向きと詰まりを見ます。ポンプの向きを間違えたときが近い話です。
- 器の外がぬれているなら、循環ではなく漏れです。水漏れの原因へ進んでください。
- 多頭でお住まいなら、水位ではなく水入れの数を見直します。

今日ぜんぶを確かめようとしなくて大丈夫です。 この話は、半日か一日おいてから答えが出る種類のものです。印をつけて置いておくことが、いちばん確実な一手になります。
うちの子の水のことが気になって器の前に立ってしまう気持ちは、そのまま大事にしてください。ただ、器の水位はその気持ちに応えてくれる指標ではありません。 応えてくれるのはタンクの側と、その子の口元です。
前足で触るなら
見分け方は前足で水を触るときに見ることにまとめました。
近づかない日が続くなら
見方は近づかない日が続くときにまとめました。
よくある質問
受け皿の水が何日も同じ高さです。壊れていますか。
壊れているとは限りません。 循環式は送る量と戻る量がつり合うと水位が動かなくなります。タンク側が減っていれば水は使われています。タンクも動いていないときだけ、次を疑ってください。
印をつけるとき、油性ペンで器に直接書いてもよいですか。
貼ってはがせるテープをおすすめします。 器の素材によっては書いたあとが残ります。透明な樹脂の器なら、外側に細く貼るだけで十分に読み取れます。
半日たっても、どちらも動きませんでした。
丸一日に延ばしてから、もう一度見てください。 それでも動かないときは、水を新しくして置き場所を変え、飲む姿を見ます。飲む量に気になる変化があるときは、かかりつけの動物病院にご相談ください。
この記事は、猫の給水器で受け皿の水が減らないときの見分け方を整理したものです。構造は機種によって違うため、分解や部品の扱いはお使いの製品の取扱説明書に従ってください。飲水の量や回数に気になる変化がある場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。
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